家族信託(民事信託)と商事信託の違い

皆様がご存じの信託銀行が行っている業務は商事信託に該当します。

商事信託とは、信託銀行や信託会社などが、事業として繰り返いし継続して報酬を得る目的(営利目的)で受託者となる信託を言います。
家族信託(民事信託)は、家族や信託などが、原則として一回限り(無報酬又は適正な報酬を得ることも可)受託者となる信託をいいます。

上記のように、家族信託(民事信託)と商事信託の一番の違いは、受託者として報酬を得る目的(営利目的)で事業(反復継続)として行うか否かが判断基準となります。
また、家族信託(民事信託)の場合の受託者は、必ずしも無報酬でなくても大丈夫で適正な報酬をもらうことは可能です。

商事信託である信託銀行や信託会社においては、自宅不動産や未上場株式を信託財産とした信託は原則としてできません。
しかし、家族信託(民事信託)であれば、自宅不動産や未上場株式を信託財産とすることも自由に行うことができます。

商事信託の場合は、信託財産の価額により数十万円から数百万円の報酬を受託者である信託銀行や信託会社に支払う必要がありますが、家族信託(民事信託)であれば、受託者への報酬の額を当事者が信託契約書で自由に定めることができ、無報酬とすることも可能です。